林檎とチョコレート、そして水

 大陸内の移動は飛行機が速い。日本からアムステルダムへ飛んで、そこで6時間くらい待つのがいつものフライト(いつものって!)。旅の荷物は必ず、林檎とチョコレート、そして水。リフレッシュしたくなったら林檎、お腹が空いたらチョコレート、そして水。空港は乾燥してるから。さっさと次のフライトのゲートに移動して本を読むのが習慣でした。今だったらたぶんKindle。当時は文庫。かなり真剣に選択します。日本語は速読できるから選ばなかった。L'Insoutenable Légèreté de l'êtreは旅の始まりから終わりまで、歩きながら読んだジャストサイズでした。後で映画も見た。ジュリエット・ビノシュの頬は林檎の白い果肉、チョコレートはレナ・オリンの大人でセクシーなブルネットがかかったブロンド、そして水はダニエル・デイ・ルイスのブルーアイかな。とにかくはまり役でハンサムでした。

 もう私はそんな移動はしなくなった。文鳥を飼っているからね。合間に読む薄い本を買いました。引越のとき処分してまた読みたくなった。美容院にいったとき、あそこならきっとある!と思って。渋谷ブックオフ。あらすじには特に意味がないが。初めて読んだときも文章も良いけれど、構成がね。登場人物の心理描写をどこに入れ込んでいくかというところ。小さめな彫刻を見るような風合い。

海の仙人 (新潮文庫)

絲山 秋子 / 新潮社



 ところで、作品に登場する小物というのは、意外と記憶に残る。それは作家のちょっとした息抜き的遊びなのかもしれない。今回はオレンジ色のダットサン・ピックアップ、カーキ色の三菱ジープ、真っ赤なアルファロメオGTV、灰色のカローラバン、黒のシボレー・ブレイザー、アルファスパイダー、156スポーツワゴン、アルファ33。156が縦書きで33は一文字で入ってるのも芸が細かいね。三桁はさすがに一文字にならなかったんだろう。三桁はなんとかしてくれないか、ときっと1回は言われてるね。
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by Bird_W | 2013-09-28 12:25 | 読書など | Trackback | Comments(0)