2016年 07月 06日
さよなら六月
合間に流れるニュースで、
アッバス・キアロスタミ監督が亡くなったことを知りました。
作品数は多くはないが好きな監督だった。
『Au travers des oliviers 』(オリーブの林をぬけて)という、
ロングショットの続く映画を好きで何度も見た。
ヒーローもいない、アクションシーンもない、豪華なセットも世界遺産な風景もなく、
なんということもない道や林、素人の多い登場人物達と他愛のない会話が続くだけの映画。
あらすじ、というよりエピソードだけ。
時間軸をばらっと外して、覚えているシーンをパズルみたく並べて、
あ、あそことあれがつながっているんだと後で気付いたり。
登場人物の視点で眺めたり、
遠くから俯瞰したり、
映画のなかで風になってオリーブの林を通り抜けていく、
そういう観客であれる映画。
そういうのが好きなんだな。
平和で静かな風景をただ眺めている幸福。
そういうものがあった。
by Bird_W
| 2016-07-06 08:20
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